システム生物学分野では、統計科学・情報科学による数理モデリングと網羅的な生命情報を駆使して、疾患をシステム的な観点から俯瞰的に解析するデータ駆動型科学の方法論の開発とその実践に関する研究を行っています。近年、次世代シークエンサーを含めた先端計測機器の開発により、大規模の臨床サンプルのゲノムデータ、さらにはそれ以外のエピゲノム、トランクスリプトーム,プロテオーム、メタボロームといったいわゆるオミックスデータの取得が可能になり、医療分野における画期的な分子標的治療薬、診断薬、予防法の開発が加速化され、がんなどの複雑な疾病に関する研究が大きくに進展するものと大きく期待されています。しかし、実際には、期待と現実の間には大きなギャップがあります。即ち、洪水のようにゲノム網羅的な情報が集積する一方で、従前のアプローチによる情報の積み上げとデータ解析では大きな飛躍は望めないという現実であります。
そこで、私達は、統計科学、情報科学、計算科学を用いたデータ駆動型科学と分子生物学による実験的検証を有機的に融合することにより、これまでの研究が直面している限界を超え、がんや精神疾患といった複雑な疾患の分子病態に関するシステム的統合理解を推進し、最終的に精度の高い診断法、がんの個性や個人のシステムの違いを反映した治療法・予防法の開発につなげたいと考えています。
そこで、私達は、統計科学、情報科学、計算科学を用いたデータ駆動型科学と分子生物学による実験的検証を有機的に融合することにより、これまでの研究が直面している限界を超え、がんや精神疾患といった複雑な疾患の分子病態に関するシステム的統合理解を推進し、最終的に精度の高い診断法、がんの個性や個人のシステムの違いを反映した治療法・予防法の開発につなげたいと考えています。